The Accidental Leader
自然にチームを率いるリーダー
インダストリアルデザイナーだったAndy Budd氏がClearleftを立ち上げ、30人ものメンバーを率いることになった上で明らかになったというリーダーに必要なスキルの紹介。また、自然にチームを率いるリーダーとはどういうことか、というセッションだった。
Speaker | Category | Company | HP | 資料 | |
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Andy Budd | Managing Director | Clearleft | @andybudd | http://www.andybudd.com/ | slideshare |
講演内容
リーダーシップについて
新しいものを生み出す上では、このような感情曲線が存在する。
- Through of Disillusionment:混沌をさ迷う
- Mount Stupid:不完全な正解にたどり着く
- Stuck in the Through of disillusionment:この案ではダメだ、と迷いが続く
- Plateaux of productivity:本当に創造的なものへと昇華する
デザインによるリーダーシップ
- デザインによってリーダーシップをとることは、最近の中でも特に新しい方法。
- しかし、学術的なエゴで塗り固められた上から目線のリーダーシップ論ではなく、自然にメンバーを率いることのできるリーダーシップ論が必要。
- 方法論・理論だけでは、良いプロダクトも良いチーム効果も生まれない。
イメージ図
悪い例: エゴで塗り固められたリーダーシップ |
良い例: 自然発生的なリーダーシップ |
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命令する | メンバー自身が発見するのを助ける |
自然発生的なリーダーシップに必要な5つのスキル
- 新たな問題に直面した時に、チームを導くための5つのスキルがある。
- Finding talent
- Retaining talent
- Executing at pace
- Managing up
- Managing down
1.Finding talent(才能を見つける)
- 高いパフォーマンスをするメンバーは即座に登用する。メンバーの良い噂は、「人に投資しなさい」という企業へのシグナル。
- クリエイティブのために最適な環境を整えることが、素晴らしい仕事のアウトプットにつながる。
2.Retaining talent(才能を持続させる)
- 高いパフォーマンスをするメンバーを、チームに維持し続けなければならない。
- 明確なミッション・バリューを与え、文化を醸成できれば、高いパフォーマンスをする人々がチームから離れていくことがなくなる。 なぜ才能を維持し続けなければならないかというと、
- 革新が生まれる「時差」を見越してデザインをする必要があるから。(Schedule time to experiment and innovate)
- 今やっていることは6週間後を、
- 次にやることは6ヶ月後を、
- 未来にやることは6年後を、考える必要がある。
3.Executing at pace(着実に実行することができる)
良いデザインリーダーは、
- 組織的な壁を打ち破ることができるし、
- やらなくても良いことはすぐに排除できるし、
創造と開発のあいだの上手な落とし所を見つけることができる。
デザイン"システム"は、ビジネスにおいて巨大な利益を生み出す「重要な役割」を担うことができる。
4.Managing up
- デザインリーダーの仕事は、デザインによる価値をより強めること。
- そのためには、ビジネスの話ができなければならない。
- 対立の関係ではなく、協創関係を作り上げなければならない。
- "デザイン"を、一般的なビジネス論の中に組み込んでいかなければならない。
- リーダーにも、指導者は必要。
5.Managing down
- でも、「ビジネスとデザインの関係・外部とデザイン関係」の調整だけに時間を使ってはいけない。
- 良いデザインリーダーは、自分のチームにもしっかりと入り込んでいるべき。
- メンバーとの定期的な1on1の時間は、必ず必要。
- オフィス内を歩き、メンバーたちの関係を観察し、必要があればメンバーたちを繋ぐ必要がある。
スキルのステップアップ
- DAだと、Member→TL→GL?
Leadership Ladder
- リーダーシップの階段
name | 訳 |
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I've been doing | やり続けている |
I've done | もうやった |
I intent to | 自分がリーダーとなり、人を巻き込む |
I would like to | 人を巻き込む |
I recommend | 人に伝える |
I think | 思考する |
Tell me what to do | 受動的 |
まとめ
これらの5つのキーワードは、自分がClearleftを立ち上げ、メンバーをまとめる際に体験したことから体系だてている。実際はチームや個人によってこれらのキーワードを入れ替えたり、組み替えたりする必要もある、と締めくくっていた。